No.3 しゃべるパンダ(男性・40歳)

驚き
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いつも通り出勤の準備をしていると、突然ベランダにドローンが飛んできた。そのドローンは人が2人乗れるくらいの大きさでベランダの横でホバーリングをしている。するとドローンの扉がゆっくりと開く。
僕は、何か怖い事が起こるのでは?と怯えていると、中から、ひょっこりパンダが出てきた。
パンダは唐突に、「一緒にいちご狩りへ行きましょう」と話しかけてきた。え!これから仕事なんだけどなぁ。なんでイチゴ狩りなのだ?と思い、「いちご狩りに行く約束をしていたっけ?」と、聞いてみた。パンダは、にっこり笑って、「いいえ!約束はしていないです!」と、返した。
そしてすぐに、大きな手をこちらに伸ばして、「今日は3月25日。いちごがおいしい時期です。さぁどうぞ~」といって、ドローンへ案内してくれた。
ゆっくりドローンの扉が閉まり、助手席に座る。みるみる内に機体は上昇していき、家・車・マンションがどんどん小さくなっていく。そして周りを見渡すと同じようなドローンが無数に飛び回っていた。むしろ車よりも おおいのではないか?と思えるくらいの数だった。
パンダは僕の横にちょこんと座っていて、おいしそうにいちごを食べながら、ドローンのAIに行き先を伝えている。
「ところでなんで急にうちにきたの?」と、僕はパンダに聞いてみる。パンダは驚いた顔で、「え!あなたはいちごがすきでしょう?」と、当然のように答えた。(え、そんな理由?)あっけにとられる僕を見て、パンダの表情がだんだんと不安そうになる。
「いちごの好きな人をサーチして、マッチングしてもらっただけだけどなぁ…。もしかして、お嫌いでした?」と、しょんぼりした顔を見せた。すごくかわいい。「いや、別に嫌いじゃないけれど」と言うと、パンダは 嬉しそうな表情を見せた。
しかし僕の頭は疑問でいっぱいだった。(ドローンに乗っていて、パンダが喋っていて…普通じゃないよな。)冷静になった僕は、たくさんの「なぜ?」と「いちごの好きなパンダ」を夢の中に残し、目が覚めたのだった。
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