No.175 孤独なウサギ(女性・22歳) 

舞台はロンドンにありそうな赤色のレンガ造りの建物の中から始まります。そのレンガ造りの建物にはウサギの家族が住んでいました。壁には時計があり、机や椅子もありまるで人間が住んでいるような内装でした。
ウサギの家族構成は父、母、子供たちの5匹でしたが、人間のわたしから見ても、そのウサギの家族は理想的な家庭とは言えませんでした。両親はいちばん上の子供をいじめるのです。
いちばん上の子供は幼い妹や弟を守るために耐えていましたが、ついに自らの手で死のうとします。とても高い場所から飛び降りた可哀そうなウサギは床に叩きつけられ倒れます。
人間であるわたしが急いで駆け寄るとウサギは奇跡的に助かったようで、倒れたままピクピクと微かに動いていました。今にも動かなくなりそうで、私は必死にそのウサギを介抱します。
カチコチと時計の音ばかりがうるさく響く部屋の中で、ウサギの顔色は血の気を取り戻していきます。安心した私はウサギにミルクを飲ませると、タオルに包んだまま抱き上げ、夜の街へ飛び出しました。
駅前や繁華街を抜け、当時私が実際に働いていたキャバクラ街の雑踏を、突き刺さる視線をかわすようにして足早に通り過ぎ、目的地に辿り着きます。そこは市民ホールのような場所で、行き場のない人々が床一面に布団を敷き詰めています。
私はウサギに「上手くやるんだよ。きみはこれからここで過ごすんだから。」と言うと、空いている布団の上に降ろしました。すると、ちょうど隣の布団を住処にしているおじさんが「おぉ~ウサギちゃんか、よろしくな。」とウサギに挨拶しましたが、ウサギは何も分かっていない様子で、その場で糞をしてしまいました。
私は慌てて布団の上の粗相を拭き取ると、きっとここでは暮らせまいと判断し、またウサギを抱き上げるとそのホールを出ていきました。
ここで夢はおしまいですが、目が覚めてから、このウサギはきっと孤独で無力な人間を象徴しているのだろうと解釈しました。それは自分かもしれないし他の誰かかもしれませんが、私は夢の中で「救いたい」と強く願っていたことを覚えています。
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