No.47 亡くなった愛犬ともう一度(女性・24歳)

悲しみ
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気がつくとそこは、家の中だった。見慣れた景色の見慣れた場所、これは実家だ。慣れた足取りでリビングに向かうと、そこにはいつもと変わらない様子の家族がいた。そして、足が短くて愛くるしい犬が、こちらを優しい眼差しで見ていた。鼻の奥がツンとする。涙が込み上げる。
アーモンドのような懐かしい瞳のこの犬は、自分の愛犬だ。数年前に亡くなった大切な愛犬の姿がそこにあった。晩年の弱々しい姿ではなく、目に光を宿した元気な姿の愛犬に再び会えたのだ。
ところが、どうやら家族は愛犬が亡くなっているという事実を知らない様子。愛犬が蘇ったことがバレたらまずいと思った自分は、もう二度と愛犬を失うことのないようにと一人で献身的に世話をした。
しかし、一度亡くなっているためなのか、愛犬はドックフードも水も口にしない。頑張って食事を与えようとしても、残念ながら全く食べ物を受け付けることはなかった。
その努力も虚しく、目に見えて弱っていく愛犬。元気そうに見えた姿は一変し、晩年の弱々しい姿へと近づいていく。一瞬、馴染みの動物病院に連れて行こうという考えが過ぎった。
しかし、もしこの状態の愛犬を病院に連れて行ったら、死んだ犬が蘇ったことがバレてしまうと思い、なかなか踏み切ることができなかった。そんな葛藤の中、ついに愛犬にも限界が迫る。その足には力がなく、息も絶え絶え。こちらを見つめる目からは辛さが伝わってくる。
もう限界だと悟った自分は、衰弱して軽くなった愛犬を抱えて動物病院へと急いだ。しかし、なかなか病院に辿り着かない。馴染みの動物病院に向かっているはずなのに、地下水路のような場所に迷い込んだ。
必死に走ってようやく辿り着いた病院は、何故かコンクリート調の無機質な建物だった。中に入ると、どこか冷たくて悲しい雰囲気の病院の待合室。順番を待つ飼い主とペットはたくさんいた。
順番を待っていられるような状態じゃないのにと、焦りと悲しみが押し寄せる。腕の中の愛犬は今にも消えてしまいそうなほどに儚い。このままではまたこの子を失ってしまう。
「助けてください。愛犬が、また死んでしまう」と声の限り叫んだ。しかし、誰も助けてはくれない。泣きながら必死で周囲に助けを求めているうちに、だんだんと意識が遠くなっていった。
次の瞬間、ハッとして目が覚めた。少し混乱している頭でなんとか記憶を手繰り、愛犬はもういないことを再認識した。悲しさと無力さだけが残る、忘れられない夢だった。
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