その日は仕事で残業を夜中の12時までやっていて帰宅したのは夜中の1時過ぎでした。家にたどり着いた時はもうボロボロで風呂にも入らずベッドに倒れ込むようにして寝ました。その時に見た夢がなんとも恐ろしいもので今でもはっきりと記憶に残っています。
夢のなかで、私は一人森の奥深いところに佇んでいました。その森には光が少ししか差し込んでいなくてとにかく全体的に暗くていかにもおどろおどろしい雰囲気でした。
最初は特に恐怖感もなくただ上を見上げながらゆっくりと森を見回していた私でしたが、次の瞬間にいきなり周囲の木々がムクムクと太くなってきて、そして空高く伸びていきはじめたのです。
まるで生きている人間のように幹をくねらせながら上から私のことを見下ろしています。木々には気持ち悪い目がついていてその目は、まさに鬼のような恐ろしい目つきでした。
私はその場から逃げようとして必死に走り出しました。後ろを一切振り返らずに全力で走るのですが大木たちもすごい勢いで追いかけてくるのです。恐怖で心臓は恐ろしいぐらいの速さで鼓動しているのが伝わってきます。
どこまでも薄暗い森の中を走り続けて逃げるのですが森は広すぎてどこまで行っても森から逃れることができないのです。走りながら怖くて涙が流れます。そして背中にも大量の汗が出ているのがわかりました。
そんなおばけのような大木に追いかけられ続けてようやく森から出ることができた私は、嬉しくてその場で地面に崩れ落ちました。
ここでハッと目が覚めました。首から背中、そして額は脂汗が流れていてあまりのリアルな夢に一日中ボーッとしていて会社でも仕事がほとんど手につきませんでした。まるで絵本の世界のようだったあの森での出来事は今でも脳裏にしっかり焼き付いています。