No.89 あの子(男性・51歳)

安心から不安
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私には高校時代とても好きな女の子がいました。とても好みのタイプだったのですが何も言いだすことがでず高校を卒業しました。
卒業後はクラスも違っていたこともあり彼女と会うこともなくこの年齢になっていました。彼女は今どうしているのだろうと、せめて夢の中で一度会いたいと強く思っていました。
そしてしばらくして彼女の夢を見たのです。当時の若いままの姿で、あの頃の笑顔。夢なのに全く同じ声で「A君元気だった!!今何しているの。」と言い、可愛らしい白い服を着ていました。
その時妙に、彼女の膝部分に見えた大きな赤いあざがとても気になりました。私はどうしたのだろう?と思ったけれど、彼女に「そのあざはどうしたの?」と聞けることもなく、夢の中で不思議に思っていました。
彼女と何年かぶりに話せた事はとても幸せでした。夢の中ではまだ学生なのか、バーやレストランではなく自販機の前のベンチで話していたのを覚えています。彼女は笑顔でタブレット端末を出し「A君見て!これ私の子供なの!」と赤ちゃんの写真を見せてくれました。
私も幸せそうな彼女を見て「とても、かわいい子だね。幸せそうで本当に良かったよ。」と話したのですが、急に彼女の顔つきが笑顔ではなくなり、他の人たちの方に行ってしまうので、私は「どうかしたの?何か悪いことでも言った?」と彼女を追いかけるのですが、どんどん彼女が歩いて行ってしまうのです。
ハッと気づくと、場面が変わります。大きな崖の先端に彼女がたっており、崖に背を向けていました。追いついた私に「A君に会えて良かったよ、元気でね」と言って背中からその崖に落ちていきます。私は「待って!!!」と大きな声で叫び目が覚めたのです。
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