No.178 高級マンションに住める理由(女性・30歳) 

恐怖
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とある高級マンションに私は住んでいました。高級マンションではあったのですが、そのマンションの家賃は格安で、その代わり当番制でグループに分けられ、ある仕事をしなければならないというのが条件です。
ある仕事というのは、実はそのマンションの地下には、特定の感染病を持った人々を隔離されており、その人々に当番の人間が二人一組で三食の食事を部屋の前まで届けるというものです。
感染症対策のため、専用のロッカールームでその日、当番に当たった人々でごった返しながら防護服のようなものを着こんでいきます。防護服が入ったカゴを見ると私に用意された長靴のようなものに穴が開いています。誰か予備を持っていないかと尋ねたものの、誰も返事はしてくれませんでした。
格安で高級マンションに住んでいるとは言っても、この当番が回ってくる度に、自分は今日感染してしまうかもしれない……というようなムードが漂っていて、ロッカールームはいつも暗い雰囲気です。
私は穴が開いた長靴をガムテープで補修をして、仕事に向かいました。
準備ができた者同士から二人一組になり、地下に降ります。地下は病院のような構造で、長い廊下の脇に部屋が規則正しく配置され、壁も床も真っ白です。照明が青白いため、全体的に暗く沈んでおり、物音は私たちが食事を扉から差し入れる時のカラン、カラン、というもの以外、一切聞こえませんでした。
しかしそうして食事を配給している時、ふと後ろで何か物音がした気がして振り向きました。
その時は誰もいなかったのですが、ちょうど廊下を曲がろうとしたところで、角に配置されたミラーに、私たちの後ろから黒い服を着た人物が近づいてきてるのが見えました。途端にパニックになりました。配給をする人間は全員白い防護服を着ていたので、間違いなく侵入者だと思ったのです。
しかも、その人物は配給係だけが知っているはずの合図を使って、隔離されている人々に扉の窓を開けさせると、その隙間からほとんど音がしない銃のようなもので中の人を殺し始めました。
私はあまりの恐怖でほとんど声が出ないまま、パートナーになったもう一人の腕を取って、大慌てで近くの施錠されていない部屋へ飛び込み、そこにあった業務用蔵庫のような金属製の大きな箱の中へ隠れました。
その後誰か(十中八九、侵入者)が部屋に入ってきたのを感じ、自分が隠れている箱が開けられる瞬間が見えました。ああ、終わった、と思いました。
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