ある晩、自宅にいると実家の母から電話がかかってきました。
電話に出ると、母が焦ったような困惑したような声で「おじいさんが危篤になっちゃって!」とたたみかけてきました。祖父は元気だったので驚いていると、場面が変わりました。
あたり一面にひたすら田畑が広がる、とてものどかな農村地帯にいました。そして、畑の中に1本の道があり、前のほうからキツネ達で構成される葬列が歩いてきたのです。
キツネといっても4本足で歩く普通の動物のほうではありません。皆二本足で歩いており白っぽい衣装も着ていました。いわゆる稲荷さんのような妖怪のような、神のお使いっぽい風貌で、鈴のついた棒を持ってシャンシャンと鳴らしながらゆっくり通り過ぎていきました。
怖い、不気味というよりもごく自然に行われている現象を見ているような気持ちでした。
その後、また場面が変わり、私は実家の台所にいました。母は卵焼きを焼きながら、母と仲の良くないしゅうと(私の祖父)が危篤になったことについて、また愚痴を言っていました。夢はそこで終わったのですが、この夢を見た時、私は感染症で入院しており、41℃の高熱にうなされている時でした。
そして朝、実家の母が私の居る病室にやってきて「おじいさんが危篤になっちゃって、そのことをいうために昨日の晩に電話したら、遅い時間なのに誰もいなくて。この時間にいないのは変だと思ってまた電話したら、○○(私の夫の名前)が『入院してる』って言うから、来たの。」と、困惑した様子で言いました。
私が夢を見ている間、実際に祖父が危篤になって母が本当に電話をかけてきたことがわかり、大変驚きました。
私の病状も重くて死ぬかと思ったのですが、連絡する余裕もなく、母には入院していることをまだ伝えていなかかったのです。そんな時に限って祖父が急に危篤になり、そのせいで入院がばれてしまったので、複雑な気持ちになりました。
ちなみに、危篤だった祖父も入院していた私もすぐ元気になりました。
おそらく予知夢や正夢を見たのだと思います。母に夢のことを言ったところ、母も気味悪がっていました。キツネの葬列…もしかしたら祖父か私のどちらかに、お迎えが来るところだったのかもしれません。