No.8 大量の水晶(男性・36歳)

興奮
この記事は約2分で読めます。

深い森の中に一角だけ切り開かれた正方形の大地に、木造の教会が建っていた。森の中なのだが、その場所だけ無数に光が差し込み、豊かな水が潤っていて、木々や緑の葉がキラキラとしている。とにかく光に包まれたような、明るく神秘的な所だった。
ちょうど教会の入り口真正面の辺で、大きな水晶をみつける。まるで巨大なきのこがはえるように水晶は地上ににょきっと生えていた。水晶は出来上がるまでには長い長い年月をかけて作られるという知識を、俺は持っている。
しかも最近は普通の人が水晶を取れるような場所もない。ラッキーと思いながら、嬉しくてテンションが上がりまくって、その大きな水晶に駆け寄った。
巨大な水晶の周りに小さな水晶がいくつかくっ付いている。(これは、持ち帰るしかないな!)と、自分の欲深さを感じながらも、水晶を抱き抱えてそっと持ち上げようとした。
すると、大きな水晶の頭の部分がほんの少しだけパリッと割れる。しかし、俺はそんなことは気にしない。これだけの大きな水晶なのだから、少し割れようが、価値は高いままだろう。
満足気に持ち上げた所で、背後から大男に声をかけられた。西洋のおっちゃんのようだった。どうやらここの建物の管理者らしい。
(人の敷地で勝手に希少な水晶を持っていこうとしたら怒られてあたりまえだろ馬鹿か俺は!)と思ったが、その人は怒ってはいなかった。「その水晶は持っていってはダメだ、他のがたくさんあるだろう。」と冷静に言った。俺は、おっちゃんに、「勝手に持っていこうとして、ごめんなさい。」と頭を下げ、建物を後にした。
「俺って本当に、がめついよな…泥棒になるところだった…。」と思いながら、森の中を歩いていると、きのこみたいに生えている小さな水晶の原石があった。片手でつかめるぐらいの大きさのものがいくつもある。水晶をきのこ狩りのごとく取っては「あ!ここにもある!!あ!あそこにもある!!」と、なんとも愉快な気分になった。
テンションが上がり、とても楽しい気分になった瞬間、その夢から目覚めた。名残惜しいが、とても幸せな夢だった。
\夢をシェアしよう!/