No.50 ひと時の幸せ(女性・12歳)

気がつくと、私は眠りから目が覚めたところだった。修学旅行中のバスの中だった。
あたりは興奮した生徒たちの声で騒がしかったが、私はそれが聞こえないくらい、とても穏やかで幸せな気持ちだった。大好きな人(男性アイドル)が隣にて、私たちはお互い寄り添って寝落ちしていたからだ。
窓からの日差しと、彼のぬくもりでとても温かかった。こんな平和で幸福な気持ちに包まれたのは初めてだった。この一瞬が終わってほしくない。何の変化も訪れてほしくないと強く思った。お互いの頭と肩が支えあっていたので、彼の柔らかい髪の毛を覚えている。
ふと場面が変わると、私はまだバスの中にいた。先ほどとは違い、 大好きな人(男性アイドル) は他のクラスメートと会話をしている。それが楽しそうに見えて、相手の女の子に嫉妬した。
彼女は私とは違うタイプの性格・雰囲気を持った子だから、彼はそっちのタイプが好みなのかなと少し不安に思った。彼は全く気にしていないのだろうけど…。そうして、私が嫉妬する対象と理由を新しく発見し、自分に驚いた。
夢はここで終わりだった。私の大好きな彼は、年齢も20歳近く離れ、住んでいる場所も全く違う。だが時々、このように同じクラスメートである設定の夢を見るからとても不思議だ。
この夢を見たのは12歳の頃だが、今でも「幸せな夢」と例を挙げるなら一番にでてくるくらい覚えている。あの心が通じ合っている感覚を、コンサートや舞台でしか見たことのない一度も会話したことのない人物で再現してしまう夢はすごい。
まして当時私は実際に恋愛をしたこともなかったので、あの感情を抱き、幸せを感じさせる夢は恐ろしくもある。
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