No.132 少年の決断(女性・20歳)

悲しみ
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自分は戦争中の国にいた。その国では戦争が長く続いたため、食料や日用品もほとんどが配給制となっていた。そんな中、10歳ほどにみえる少年たちのグループの様子が見えた。
彼等は孤児となって路上で生活するようになった者たちで、集団になることで安全を得ようとする集団の一つだった。彼等は普段から満足な生活ができていないことは、その薄汚れた身なりから察することが出来た。
彼等の様子を見ていると、グループの一人がリーダー格の少年と相談をしていた。彼はリーダーに訴えていた。自分たちのグループは大きくなりすぎてしまった。今の状態でも食料が足りていない。このままでは皆が餓死してしまうだろう。そうなる前に、配給物資が保管されている倉庫に盗みに入る計画を立てよう。
この話を聞いたリーダー格の少年は考えていた。これまでにも、彼らのグループは犯罪まがいのことを行ってきた。どれも生きるためのことだった。そんな中でも、国の管轄にある物資倉庫への盗みは避けてきた。今まで行ってきたものとは、警備の質も量も比べ物にならないからだ。
しかし、リーダー格の少年もその少年の意見の必要性は理解していた。おそらくこのあたりの店や家には、もう大した量の物資は残っていないことが推測されていた。さらに、彼らグループは孤児であるため、配給を受け取るのに必要な戸籍が確認できないものたちでもあったのだ。
最後にリーダー格の少年は決断した。自分たちで倉庫に盗みに入ることを。リーダー格の少年の決意を感じた瞬間、ふと目が覚めた。
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